労働相談Q&A

社会保険労務士が働く人と雇用する側の労働関係の法令について分かりやすく解説します。

  • Vol.17 始業前、業務終了後の清掃時間は労働時間ですか

    質問

    私の職場では、始業前に早めに出勤し、全員が事務所の内外を清掃しています。また、業務終了後に10~15分の清掃時間があり、業務が忙しいときは終業時間をオーバーすることがあります。
    この時間については、暗黙の了解事項となっているようで、賃金の支払もありません。
    これは労働時間にならないのでしょうか。

    ポイント

    1. 清掃時間が会社から義務化されていて、強制されていれば、労働時間になります。
    2. 会社からの強制はなく、自主的に行っていれば労働時間にならないこともありますが、清掃している社員と清掃しない社員に何らかの格差(例えば評価に差があるなど)があれば、労働時間と判断されます。
    3. 労働時間と判断されると、所定労働時間外であればその時間の賃金の支払が必要となります。

    解説

    労基法上の労働時間とは、「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間のこと」を指します。
    始業から終業までの時間から休憩時間を除いた所定労働時間は、特別な事情のない限り労働時間となります。ですから始業前の清掃、仕事の準備時間、朝礼などは、客観的な事実を踏まえて労働時間かどうかを判断します。

    これまでの最高裁の判断基準では、仕事の準備を使用者から義務付けられていれば「使用者の指揮命令下に置かれたもの」として労働時間になるものと判断されることが多いです。
    ただ、職場を清潔にしたい、快適な職場づくりのために、社員が自主的に行っている、参加できない社員に対して、特段不利益を講じない、ということであれば、労働時間と判断されないこともあります。

    「職場環境を清潔に保つこと」は、事業主にも働く人にも義務となっています。(労働安全衛生法規則第619条、620条)その理由として、作業場を清潔に保つことで、事故防止、疾病予防等のねらいがあります。
    清掃を、どの時間でどの程度行うかは、職場全体で話し合い、ルールを決めるなどの工夫が必要でしょう。各職場に合った方法を検討するのがよいと思います。

    就業時間内に行うようにして、年に1回、2回の大掃除などは時間外になるのであれば、計画して時間外手当を支払う必要があるでしょう。

  • Vol.16 損害賠償を請求されたら 払わなければいけませんか

    質問

    先日、雨の日に会社の車を運転中にスリップして破損してしまいました。
    事業主から、修理費の全額を賠償するように言われました。
    全額、自己負担で損害賠償しなければいけませんか。また毎月の給料から差し引くと言われたのですが。

    ポイント

    1. 会社に与えた損害が従業員の「故意」でない限りは、全額を請求することはできません。
    2. 従業員の責任が重大である場合は、「損害の公平な分担という見地から信義則上相当な限度の範囲」でいくらか賠償することもあります。
    3. 事業主が、一方的に給料から損害賠償額を天引きすることはできません。
    4. 会社が従業員に対して損害賠償請求をすることについては、法律上の妨げはありませんが、必ずしも従業員が支払わないといけないわけではありません。

    解説

    業務中の会社の車の事故は、会社は車両保険の加入で損害を抑える方法をとっています。
    従業員が、故意に事故を起こしたということでなければ、従業員に重大な過失があったとはいえないことがあります。会社に与えた損害の状況は次の項目を判断根拠とします。
    ① 会社は、車両保険等に加入することにより車両損害を分散させる手だてをとっていなかった場合、会社側責任が問われます。
    ② 当該従業員が交通事故を起こすことが日常茶飯事であったということは、会社が従業員に対する安全指導、車両整備等にも原因があったものと推認されることで、会社側と従業員の責任を「公平な範囲」で判断します。
    ③ 今回の事故の発生について、従業員に重大な過失があったのかということ。
    ④ たとえ会社から従業員に対する損害賠償が許される場合でも、毎月の給料から天引きすることも事業主だけの判断ではできません。給料は全額支払わなければならないという「全額払いの原則」が法律上定められています。(労働基準法24条、17条)

    以上のことから、多額の損害賠償を支払う可能性は低いと思われます。「故意」でないことを丁寧に説明する必要があります。

  • Vol.15 働くときのルールはどのようになっているのでしょうか

    質問

    職場の問題や働き方で困って労働相談コーナーに電話しました。
    相談員の方から「働くときのルール」を教えていただきましたが、法律で決まったルールがあるのでしょうか。
    また、働く際に、どんなことに気をつければよいでしょうか。

    ポイント

    1. 働くときは、雇用する人と雇用される人(労働者)の間で、契約を結ぶことが労働基準法で定められています。
    2. 働くときの契約は、雇用契約書や労働条件通知書の発行が必要です。
    3. 働く時の契約は「雇用契約書」「労働条件通知書」で行われますが、その内容は法律に違反してはいけません。
    その契約内容を「働く時のルール」といっています。

    解説

    ① 就職する際は、契約の内容をお互いに確認しましょう。
    「雇用契約」の内容について不明確な点やわかりづらい点は、説明を受けて納得しましょう。

    ② 契約は、口頭でも成立しますが、お互いが合意した証明としてできるだけ文書で作成するのがよいのです。
    特に事業主が発行する「労働条件通知書」は文書で明示することが定められています。
    ただし、2019年4月からは「ファクシミリを利用する送信の方法」と「電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信の送信の方法」でもよいことになりました。
    メールの通知は、労働者が希望していなければ、文書で交付しなければいけません。

    ③ 雇用契約の内容は、法律で定められ、「働く時のルール」と呼ばれます。
    ㋐契約期間 ㋑就業の場所 ㋒従事する仕事の内容 ㋓始業・終業・労働時間・休憩時間・所定外労働時間の有無など ㋔休日 ㋕休暇(年次有給休暇など) ㋖賃金(基本給、手当、賞与、退職金など) ㋗退職に関する事項(定年、退職の手続き) ㋘その他(社会保険の加入状況など)

    働く際には、労働基準法をはじめ労働安全衛生法、育児・介護休業法など、多くの法律があり、その対象になったときに法律に基づいて適用しなければいけません。
    働く側として、雇用契約や労働条件の内容を確かめて、安心して働き続けましょう。

  • Vol.14 遅刻の際の賃金カットについて

    質問

    会社の規程で、「遅刻した場合は5,000円の賃金カットをする」という項目があります。
    社員の中でも、「これは厳しいのではないか」「そもそもこのやり方は正しいのか」という意見も出ています。
    遅刻するのは良くないことですが、その処分の方法はどのように考えたらよいのか、ご指導ください。

    ポイント

    1. 遅刻した時間の賃金をカットする
    2. 遅刻は服務規律違反であり、懲戒として処分する

    原則として、賃金は労務提供に対して支払われなければいけません。
    その原則からすると、遅刻した時間は、労務提供がなかったことになりますので、遅刻した時間に賃金を払わなくてもよいことになります。つまり「ノーワーク・ノーペイの原則」です。
    ただ、遅刻した時間が何時間にあたるのかについて、注意する必要があります。「ノーワーク・ノーペイの原則」は、働かなかった時間については賃金を支払わないので、遅刻した時間以上の分まで、賃金をカットすることはできません。
    もう一つは、遅刻を服務規律違反として懲戒処分とすることになっていれば、賃金を減額することができます。

    解説

    ①の場合、遅刻した時間以上に賃金をカットすることはできません。
    ですから1ケ月の遅刻が、合計で何時間になるのかを確認する必要があります。遅刻合計時間の賃金を支払わないことになります。

    ②の場合であれば、遅刻の時間に関係なく賃金をカットすることができますが、その合も労基法(労働基準法第91条)で、「1回の額が平均賃金の半額を超え、総額が1賃金支払い期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とされています。

    以上のことから、1回の遅刻で5,000円の額が1日の半額を超えていないか、また月に数回の遅刻の場合は、1賃金支払い期間で賃金総額の10分の1を超えていないかを、確認する必要があります。
    この機会に、みんなで遅刻の対応について話し合い、お互いに理解することも必要です。

  • Vol.13 ダブルワークの雇用保険加入について

    質問

    現在、2か所でパートとして働いています。雇用保険に加入するには、どのような働き方が良いのか教えて下さい。

    ポイント

    雇用保険は、2か所以上で働いていても、一つの雇用関係(生計を維持するに必要な賃金を受ける事業所)でのみ加入します。つまり2か所で雇用保険加入はできません。

    雇用保険の加入要件は次のとおりです。
    1. 1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること。
    2. 31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者であること。

    解説

    労働者を1人でも雇用する事業主は、雇用保険に加入が義務付けられていますが、上記①②の要件が必要です。
    現在2か所でパートとして働いているということですが、どちらかの働き方が週20時間以上になっているのか、確認しましょう。
    2か所以上の事業所で働いていても、雇用保険は、一つの雇用関係のみの加入となります。その場合、原則として相談者が生計を維持するために必要な賃金を受ける事業所で雇用保険の加入手続きを行います。

    1か所の事業所が週20時間以上で、もう1か所が週20時間未満の勤務の場合
    この場合は、週20時間以上勤務している事業所だけで雇用保険に加入します。雇用保険料は、その事業所で支払われる給与で計算されますので、もう一方の事業所の給与は計算されません。

    2か所の事業所が20時間未満の場合
    この場合は、どちらでも雇用保険の加入はできません。
    雇用保険の加入がなければ、離職した際に失業給付等を受けることができませんので、できるだけ雇用保険に加入できる働き方をお勧めします。

    最近は、柔軟な働き方ということで、副業や兼業を認める会社も増えてますし、厚生労働省でも「兼業・副業の促進に関するガイドライン」を発表しています。できれば、雇用保険加入事業所に勤務しながら、副業や兼業も検討するとよいと思います。

  • Vol.12 病気やケガで休業したときの傷病手当金について教えて下さい

    質問

    病気やケガで仕事を休むと傷病手当金が支給されると聞きました。
    傷病手当金の制度について教えて下さい。

    ポイント

    1. 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業で仕事に就くことができないこと
    2. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
    3. 休業した期間について給与の支払いがないこと

    解説

    傷病手当金は、社会保険に加入している事業所に雇用されている従業員(被保険者)が業務外の病気やケガで休業したときに、生活を保障するために設けられた制度です。
    被保険者が病気やケガのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
    支給される条件は、次のとおりです。

    (1)連続3日間の待機期間が必要です
    業務外の事由による病気やケガの療養のため仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。待期には、有給休暇、土日・祝日等の公休日も含まれるため、給与の支払いがあったかどうかは関係ありません。仕事に就くことができない状態となった場合には、その日を待期の初日として起算されます。

    (2)給与の支払いがないこと、支給期間は1年6か月
    休業期間について、給与の支払いがあれば、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の支払いが傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。
    支給期間は、支給開始した日から最長1年6ヵ月です。1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガにより仕事に就けなくなった場合でも、復帰期間も1年6ヵ月に算入されます。
    任意継続被保険者である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。
    傷病手当金の支給要件に該当すれば、安心して療養することができます。

  • Vol.11 有給休暇を時間単位で取得するときのポイントは

    質問

    最近、社員から「有給休暇を時間単位で取りたい」との申し出があります。 理由は、「私的な用があっても1日は必要ないし、業務の責任から1日休むのは気が引ける」というものです。
    会社としても、短時間社員やフルタイム社員もおりますので、1日休暇を取るより、短時間で取得してほしいこともあります。
    これまで、半日単位での取得は認めていましたが、時間単位での有給休暇取得の制度を導入する場合、どのような手続きが必要なのか、教えていただきたい。

    ポイント

    年次有給休暇の時間単位付与については、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(当該労働組合が無い場合には労働者の過半数代表)が書面による協定を締結することにより、時間単位での年次有給休暇を付与することができます。
    1. 時間単位年休の対象労働者の範囲
    2. 時間単位年休の日数(5日以内の範囲)
    3. 時間単位年休1日の時間数
    4. 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数です。
    ただし、分単位など時間未満の単位は認められません。

    解説

    最近、多様な働き方が増えているため、有給休暇についても1日単位だけでなく、半日単位、時間単位の取得希望があります。労基法では毎年一定の休暇を与えることで、働く人の心身を回復して、ゆとりある生活を送ることを目指しています。
    ところが、有給休暇の平均取得率は5割を下回っているため、政府では2020年度までに7割取得を目標としています。
    そのため、まとまった日数を取得するということを踏まえつつ、年次有給休暇の有効活用を目的として、労使協定を締結することで、時間単位休暇の取得を認めることにしました。
    有給休暇の時間単位付与については、労働者代表との労使協定が必要です。

    協定の内容は、(1)労働者の範囲の定め、また全ての有給休暇を時間単位で与えるのではなく、(2) 5日の範囲内としています。1日の時間数は、(3)1日の所定労働時間数としますが、7.5時間の場合は、切り上げて8時間として計算します。
    注意事項としては、分単位取得はみとめられません。
    時間単位有給の導入も働き方改革の一歩になるかもしれません。検討してください。

  • Vol.10 入社前研修に参加したときに賃金の支払いはありますか

    質問

    今年度の新卒採用で、4月1日入社の内定が決まりました。内定した会社から入社前の3月20日から内定者研修が始まるので、参加するようにとの通知がありました。交通費は出ますが、賃金については「会社の基準で支払う」となっていますので、いくらになるかはわかりません。研修中でも初任給と同じ賃金が支払われるのでしょうか。
    内定ということで、正式な雇用契約書は交わしていません。

    ポイント

    賃金は「労働した場合」に支払われなければいけません。
    入社前研修については、参加が義務づけられている、強制参加である場合は、賃金を支払う必要が出てきます。
    その場合の賃金額はいくらかということですが、内定者は、正式な雇用契約が締結されていないので初任給が決定していません。初任給の額は、入社した労働者に支払うことを契約上で約束した金額ですので、入社予定者に支払う場合の基準にはなりません。
    入社前の研修の場合は、最低賃金の額以上を支払えば特に法令違反にはなりません。
    一般的には、参加した時間分の賃金を支払うことが多いです。また、会社によっては、賃金という名目ではなく、「研修手当」「日当」等として支払われることもあります。
    入社前研修に支払われる日当や賃金、食事費の負担などについても研修を受ける前に、確認しておくのがよいでしょう。
    また、いつ支払われるのか、現金支給か口座振り込みなのかということなど、事前に会社側に確認をしましょう。

    解説

    パート社員として勤務した後、雇用契約期間が中断されずに正社員として採用された場合、有給休暇日数は、パート期間から継続勤務したものとして、有給休暇は通算されます。
    具体的には、パート期間の5日の有給休暇は、正社員に採用された後も有効です。
    会社の説明のように、パート期間の有給休暇が消滅するわけではありません。次の有給休暇の付与日まで、休暇を消化することができますので、有給を取得したからといって、賃金がカットされることはありません。ただし、正社員に転換した時点で有給休暇日数も変更になるわけではありません。
    厚労省通達(昭和63.3.14基発150号)では、「年度の途中で所定労働日数が増加しても、年次有給休暇は基準日に予定されている所定労働日数に応じた日数を付与すれば足り、変更後の所定労働日数に応じて有給休暇の付与日数を増やす必要はない」とされています。
    正社員に転換されても、次の有給休暇の基準日までは、現在の日数になります。
    たとえば、パート期間は、週3日勤務でしたので、これまでの有給休暇は比例付与として6か月…5日、1年6か月…6日、2年6か月…6日、が付与されていました。
    正社員になると3年目(2年6か月を超えているとして)で12日が付与されますので、会社の方に、有給休暇日数を確認して下さい。

  • Vol.09 無期転換ルールとは

    質問

    最近、無期転換という言葉をよく耳にします。
    同じ事業所で5年以上契約社員で勤務した場合、希望すれば無期雇用になれると聞いています。
    5年以上であれば、誰でも無期雇用になれるのでしょうか。
    その場合、正規社員になれるということでしょうか。給与等はどうなるのか教えて下さい。

    ポイント

    無期雇用転換の条件は次のとおりです。
    1. 通算契約期間は、平成25(2013)年4月1日以降の有期労働契約から算定します。(それ以前の期間は算定しません)
    2. 契約期間が通算5年を超えた労働者が「申込み」をした場合に、無期労働契約が成立しますから、平成30年4月1日から対象者が出ます
    3. 無期転換後の労働条件については、一般的に直前の有期労働契約と同一の労働条件となりますが、各社で規則等を定めています。

    解説

    「無期転換ルール」とは、労働契約法の改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。
    平成25年4月1日以降の契約から5年の期間が通算されますので5年の継続勤務(6ヶ月未満の空白期間は継続勤務とみなす)があれば、(労働契約法第18条で適用除外されている船員を除く全ての労働者に)、無期転換ルールは適用されます。
    平成30年4月1日以降に無期転換の申込権が発生します(ただし、5年の間に6か月以上の空白期間がある場合、通算5年に不足がでることもあります)が、自動的に転換するわけではありません。
    無期転換を希望する労働者は、無期転換の意思を会社に伝える必要があります。

    また「無期転換ルール」は、これまでの期間の定めのある契約が、期間の定めのない契約に転換するもので、正社員になるということではありません。給与や待遇等の労働条件については、各社で定めていますが、一般的に直前の労働条件と同じ、または下回らないことになっています。

  • Vol.08 定年後の再雇用について

    質問

    わが社の定年は60歳と定められています。私も今年で60歳を迎えます。
    これまでわが社では定年後も働く人は出ていませんが、周囲の会社は、65歳まで雇用することになっているようです。私も65歳までは働きたいと思っていますが、可能でしょうか。
    その際の賃金や社会保険等は、どのようになっているのでしょうか。

    ポイント

    1. 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)により、定年後の継続雇用を希望する場合は、65歳まで雇用することが義務付けられています。
    2. 労働時間が週30時間以上であれば社会保険の加入が義務づけられています。
    3. 労働時間が週20時間以上であれば雇用保険の加入が義務づけられています。
    4. 定年後の労働条件については、法的な規制はありませんので、経営者と働く人の双方での合意が必要です。

    解説

    最近は平均寿命も伸びていること、みなさん健康なので60歳以降も働く人がほとんどです。
    また社会全体でも、働き手が必要ですので、会社も高年齢者に働いてもらいたいと考えています。労働条件については、各企業で異なりますので、会社の方針を確認することが大切です。

    多くの企業では、次のような対応していますので、参考にして下さい。
    ・身分について
    定年前と同じ正社員の場合もありますが、契約社員、再雇用社員、嘱託社員等の呼称の変更もあります。
    ・業務内容
    定年前と同じ業務ですが、変更することもあります。
    ・肩書き
    業務や会社の体制によって「継続する、継続しない」を定めています。
    ・労働時間
    フルタイム、短時間、短日勤務等、業務や本人希望で選択も可能。
    ・給 与
    業務責任により定年前より減額することもあります。月給制、時給制など。在職老齢年金(働きながら受給できる年金、生年月日によって支給開始年齢の定めがある)をもらうことも可能です。
    ・手当・賞与
    会社によって違いがあります。

    初めての継続雇用の方は、後に続く後輩のモデルになりますので、よく検討することが大切です。労働条件については、早目に確認して、これからの働き方の計画を立てることをおすすめします。